最近、兄さんが冷たい。
そう、感じている小島航は、実兄である小島空の茶髪に染めている長髪を鷲掴んだ。
「ぐうぇっ」
「兄さん」
目を吊り上げて文句を言おうと後ろを向いた空に、航はさっと、口付けた。
「・・・・・航」
「兄さん、隊長にばかり優しくするなよ」
空は、そっと航を抱き寄せて弟のサラサラしている髪を撫でた。
もっとも、兄弟と思い込んでいるのは小島航だけで、空はただの知り合い程度にしか思っていないのだが。
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Aは航くんを可愛がっていればいい。
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また、この男と寝てしまった。
沐絲は重く痛む腰をさすりながら布団の周りに散らばっている下着を身に着けた。
よく体が持つものだ、と自分でも思う。
これで、もう何回目だかわからないが、一ヶ月に一回だったものが、だんだんと日にちがせばまり、三日に一度の割合で身体を交わえるようになっていた。
なおも腰をさすりながら、今度は隣で寝ている男を揺さぶって起こしに掛かる。
「乱馬、おきろ」
「ん~・・・・あかね」
「・・・沐絲じゃ、いい加減おきんか、乱馬」
「ん・・・・あ?」
「やっと起きたか。ほれ、パンツ履け」
ひょい、とうずまき柄の下着を投げてよこし、自分は民族衣装に腕を通す。
「お~・・・・サンキュー。
・・・あ、あ~・・・ワリィ、また沢山痕つけつまった」
沐絲の広い背中についた紅い華を指でなぞってつつく。
「気にするな、どうせ見えん」
完全に服を着終わった沐絲はさっさと玄関へと向かう。
因みに、ここは空きアパートの一室。
こうするたびに不法侵入して使わせてもらっている。
「あ、帰んのか?」
「もう、行かんと仕事に遅れる」
「そ・・・・っか」
「じゃぁ」
パタリ。
音がして沐絲が去っていったのと知れる。
「・・・・ほんと、ワリィな、沐絲」
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罪悪感に濡れて沐絲を抱いていればいいよ。
ところで、沐絲さんが乱馬さんに抱かれていると珊璞に知れたら彼女は一体どうするのでしょうね?
耽美小説に飢えてるだけ。
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