いつも。
そう、いつもそうなのですよ。
一回目小島兄弟に誘うと、必ず断られます。
で、めげずに二回目誘ってみると、大抵は提案を受けてくれます。
今日も、そうなの。
私(吉田遥)と小島航は恋人同士なのに。
近づいてもいい?
の提案で一度張り倒された。
ちょっと傷付いてもう一度近づいても良いですか、と提案するとフツーに提案を受けてくれました。
チューしてやったぜこのやろう。
授業が終了し、お昼ご飯を食べに行こうと空先生に話しかけて誘ってみるも。
「断る」
そんな恐い顔して言わないでよ!
そんな事言わないでさ、空先生、私と一緒にご飯食べに行こうよ。
「うん、それはいい提案だな」
・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう。
ほら、ツンデレ小島ーずで吉田さんを喜ばせてあげよう。
小島一号の場合。
「せんせ・・・・い、一緒にお昼ご飯、食べに行こう・・・・?」
「う~ん?見て解らないのか吉田。
俺は今忙しいんだ」
「そ・・・・う。ごめんなさい」
背中を丸めて、とぼとぼと教卓から離れていく吉田を見て、空はくすりと笑う。
その哀しそうな背中が、少し心地よくて意地悪をしてしまう。
「まぁ、少し待て吉田。
あとこのプリントまとめるだけだから、ソレ終わったら一緒に昼飯食べに行こう」
「・・・・ありがとう」
笑う吉田をみて、空は心の中で深く深く喜んだ。
小島二号の場合。
「航くん、その・・・・抱きしめても・・・いい?」
「なっ、何を考えているんだ!呆れたなぁ、もう!」
航は内心凄く喜んでいたが、何せ女の子だ。
ビデオで何回かそういうシーンを見ているが、なまじ、実践となると・・・。
ムッツリ、哀れ。
「・・・・っ、ゴメンナサイ」
あわわわわ、泣かないでよと心の中で悶絶するも、このままだと埒が明かないのは見えている。
航は深い溜息をついて、だがしかし、その表情の下には喜びに満ち満ちたものを隠して、吉田に声を掛けた。
「わかったよ・・・・・吉田さん」
「あっ・・・・・」
背中から、吉田を抱きしめて優しく笑った。
ごめんなさい、ごめんなさい。
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